「最近、韓国軍内部ではいわゆる“高学歴化”が進んでいる。深刻な就職難の影響で、あまり解雇されず給料も安定している職場として注目されたせいだ。部隊の設備など職場環境もひと昔前と比べればかなり良くなったこともある。2015年に日本の靖国神社で爆破騒ぎを起こした元職業軍人がいたが、彼は学歴のない非エリート。高学歴の将校たちに居場所を奪われた鬱憤を晴らすためにやったのではないかと思う」
一般の公務員感覚で「安定」を求めて軍に就職する職業軍人、嫌々ながら兵役に赴く若者たち……韓国軍は、その内部から崩壊が始まっている。
●こなー・かん/大阪出身の在日韓国人2世。韓国に語学留学後、執筆活動に従事。日韓に横たわる歴史問題をはじめ、文化、社会問題など幅広く取材。
※SAPIO2017年6月号