◆「小田原」異常変動の意味
村井氏が会長を務める民間会社JESEA(地震科学探査機構)は現在、予測の精度を高めるために新たな試みを始めている。
従来の国土地理院の電子基準点に加え、NTTドコモとJESEAが全国18か所に設置した自前の電子基準点である「プライベート電子観測点」のデータを予測に生かそうというものだ(NTTドコモ16か所、JESEA2か所)。村井氏が解説する。
「国土地理院から提供されているデータは、例えば『6月28日の東京都世田谷区での変動は5センチ』といったように、1日あたり1度の数値です。
一方、プライベート電子観測点のデータは、1時間ごとの数値を得られる。現在は実証実験中ですが、このデータを使えば時間単位の異常を見逃すことが減るため、より高精度な地震予測が可能になると期待しています」
その新たなデータの分析を加味した上で、村井氏が「最警戒ゾーン」とするのが、次の地域だ。