神奈川、千葉で大きな地震が起きた場合、地盤の緩い東京の被害は大きいと考えられている。
「さらに伊豆諸島でも、大島、三宅島、八丈島などが『隆起・沈降』でも、『水平方向の動き』でもバラバラな異なる動きをしている。その境目ごとに歪みが生じていると考えられます。複合的な要素から南関東への警戒は怠るべきではないでしょう」(村井氏)
◆九州の警戒が“復活”
全国には他にも警戒ゾーンが点在している。
【北海道東部警戒ゾーン】【北海道道南・青森警戒ゾーン】
この地域も長野県南部地震前と同じく1月に大きな異常変動が集中した後、静謐状態となっている。
「東部の釧路と根室は長期的に沈降している一方、周辺は隆起しており、歪みが溜まっていると考えられます。また、プライベート電子観測点では、6月に『えりも』と『むつ』で明らかな異常変動が見られているため、今回、警戒ゾーンに加えました」(村井氏)
【北陸・北信越警戒ゾーン】
長野県南部が外れ、前回より警戒ゾーンが狭まったものの、油断は禁物だ。
「1月には新潟県を中心に『異常変動』が多く見られた。石川県の能登半島北端と新潟周辺だけで長期的な沈降が見られることから、特に新潟県を注視している。長野県は今回の地震でエネルギーは放出されたと考えられるが、引き続き、余震に注意が必要です」(村井氏)
【南海・東南海警戒ゾーン】
南海トラフ地震が危惧されるこの地域は、沈降傾向にある広島を加え、前回より警戒ゾーンが広がった。
「徳島の沈降が続いていたのですが、四国全体が隆起に転じており、“大地震の兆候”が現われています。また、南海トラフの形に重なるようにして、太平洋側の海岸線沿いに『水平方向の動き』で逆方向のせめぎ合いが見られる」(村井氏)