地震学にのっとった『地震発生頻度から地震発生をパーセンテージで予測する』といった従来の手法とは全く異なるもので、その「的中率」には目を見張るものがある。
しかし、まだMEGA地震予測が“発展途上”にあることも否定できない。長野県南部地震の5日前には豊後水道にほど近い大分県佐伯市でも震度5強の地震が起きたが、こちらは的中とまではいかなかった。村井氏は熊本地震以降、大分県を含む九州の周辺各県に歪みが溜まっていることを再三指摘していたが、このエリアを強く警戒するまでには至っていない。村井氏の話。
「私の予測は場所や規模、日時をピンポイントで提示できるレベルにはなく、今後もさらなる研究と精度の向上が必要です。
しかし、今回、半年前に『三岳』の異常変動を指摘できたことは一定の成果と考えるべきです。長野県を含む北信越を見ると、昨年7月と今年1月に一斉異常変動(多くの地点で同時に異常変動が起こること)が見られ、その後、静謐(せいひつ)期間(大きな変動のない静かな期間)が続いていた。加えて、静謐期間中、この地域の多くの電子基準点が沈降傾向にあったのが、最近になって隆起し始めていた。
経験則から、『一斉異常変動の後の静謐』と『沈降の後の隆起』の2つを満たしている場合、大地震が起きる可能性が高い。今度の長野南部地震でも、そのことが裏付けられたと思っています。
この2つの動きは、長野以外でも全国各地に見られます。別の場所でさらなる大地震が起こる可能性は十分に考えられます」