【奥羽山脈警戒ゾーン】
この地域では、マップで確認できるように、今年1月に秋田県や山形県で「一斉異常変動」が見られている。村井氏が解説する。
「プライベート電子観測点でも6月22日のほぼ同じ時刻に宮城県の『気仙沼』、山形県の『村山』で、明らかに大きな異常が確認されました」
この地域は、長期的な「隆起・沈降」の面でも、異常が見られる。
「東日本大震災以降、奥羽山脈を境に太平洋側は隆起する一方、日本海側は沈降していました。しかし現在、日本海側の秋田県や山形県は沈降から隆起に転じ始めている。長野県南部地震とよく似た大地震の兆候が現われているのです」(村井氏)
そのため、JESEAが毎週発行するメールマガジンの最新号(6月28日配信)では、この地域を最高警戒レベル5の〈震度5以上の地震の可能性が極めて高く緊急性がある〉地域に引き上げている。
【首都圏・東海警戒ゾーン】
村井氏が「奥羽山脈警戒ゾーン」とともに「要警戒」として挙げたのがこの地域だ。メルマガ最新号でも、首都圏を含む南関東を最高のレベル5に位置付けている。特に注目しているのは、東京、神奈川、千葉の「南関東エリア」だ。
「プライベート電子観測点のデータによれば、6月2日と10日の2回にわたって神奈川県の『小田原』で明らかな異常が見られています。小田原は関東大震災の震源である大井町(神奈川県)からわずか8.4キロしか離れていません。
長期的な『隆起・沈降』でみると、千葉県中部の『千葉緑』は沈降しているのに同県東部の『銚子』や南部の『館山』では隆起が起きている。千葉の中でもそれぞれの間に大きな歪みが生じていると考えられます。千葉県は江戸時代の元禄地震の震源といわれており、注視しています」