国内

幼少期の藤井四段 指し手熟考しながら歩き、側溝に落ちた

将棋を始めたのは5才の時という藤井四段

 名古屋駅から電車を乗り継ぐこと40分。瀬戸焼の陶器で有名な愛知県瀬戸市は今、“聡太一色”に染まる。

〈聡太くんにメッセージを書こう〉。名鉄尾張瀬戸駅前の商業施設では、こんなプラカードとともに、市民からの祝福メッセージが壁一面を埋め尽くす。

 市役所に行けば、目に入るのは〈快挙 公式戦連勝新記録樹立 歴代単独1位〉という巨大な垂れ幕。

 6月26日の増田康宏四段(19才)との対戦で、前人未到の公式戦29連勝を達成した最年少プロ棋士・藤井聡太四段(14才)のフィーバーが止まらない。

 7月2日の佐々木勇気五段(22才)との対局で惜しくも敗戦。連勝記録は29で止まったが、ワイドショーは連日、彼の一挙手一投足を報じ、全国紙でも一面をジャック。日本中で“聡太グッズ”の売り切れが相次ぎ、将棋教室への入会者が激増している。空前の将棋ブームをもたらす天才少年はどう生まれたのか。その原風景を探した。

 瀬戸市内の閑静な住宅地に建つ淡いクリーム色の住宅。庭には3mを超えるクロガネモチの木が青々とした大きな葉を茂らせる。

 藤井四段はこの家で育った。メーカー社員の父は現在単身赴任中で、専業主婦の母・裕子さん(47才)と4才上の兄とともに暮らす。

「小さな時から活発な子で、よく庭のクロガネモチに上って遊んでいました。本も大好きで、日本昔話や童話を読み聞かせていましたね」

 こう話すのは、実家のすぐ隣に住む藤井四段の祖母・育子さん(75才)。

 最初の転機は幼稚園だった。藤井家が代々通う幼稚園では、19世紀にイタリアで生まれた「モンテッソーリ教育」を推進する。

 子供が本来持っている“成長する力”を最大限に尊重し、周囲の大人は子供が自発性や感性を発揮するようサポートする教育法で、米国のオバマ前大統領やマイクロソフト創業者のビル・ゲイツらも幼児期にこの教育を受けている。

 藤井四段は色紙の組み合わせを自分で考えて作る「ハートバッグ」が大好きで、3才の時から何個も作っていた。

関連キーワード

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン