国内

スマートキーの電波を増幅させて車を盗む事件が増加中

「スマートキー盗難」の被害件数が増加(写真/アフロ)

 自動車の「スマートキー」は、従来の鍵のようにシリンダーに差し込む必要がなく、ポケットに入れたままで車に近づけば、解錠ができ、エンジンをかけられる。輸入車にはまだ少ない装備だが、現在、国内生産車の約570万台に導入されている。

 その仕組みを簡単に説明すると、スマートキーが常に発している電波を車が受信することで、解錠などができるというものだ。最近、その“電波”を盗み、車も盗んでしまう事件が起きている。

 この犯行は通常複数の人数で行われるという。犯行グループの1人が車から離れた運転者に近づき、特殊装置でスマートキーの電波を受信する。その電波を増幅させて、車の近くに待機している仲間に送る。

 すると、車が、近くにスマートキーがあると誤認。その結果、犯人が車を解錠して、エンジンをかけ、あっという間に車を盗んでしまう。

 警察庁は、「スマートキー盗難」の被害件数を公開していないが、「スマートキー盗難」は徐々に増えてきているようだ。この手口は、スーパーや駅の駐車場だけでなく、電波が届く場所であれば、どこでも犯行可能なため、私たちにも他人事ではない。

 盗まれないためにはどんな対策が有効か。ドラマ『ガリレオ』(フジテレビ系)などの科学捜査指導も担当した民間の鑑定機関、法科学鑑定研究所・社長の山崎昭さんは、こう説明する。

「この技術は、クレジットカードの非接触型のスキミングと同じで、その対象物、今回なら鍵そのものと接触しなくてもできるので、防ぐのが難しいです。メーカーも、これといった対策を見つけられていない。警察も注意を呼びかけるしかないのが現状です。もし唯一できる対策があるとしたら、スマートキーを鉛のケースに入れておく。鉛は、電波を外に放出しないから。それで、自分の車に近づいたら、ケースからキーを出す…」

 もはやこれは未来を風刺したコントでしかない。

「車の窃盗は昔からあって、盗む人はいろいろな技術を持っています。防ぐのは非常に難しいということです」(山崎さん)

 外出時にレストランなどのテーブルの上にスマートキーを置かないなど、なるべくスマートキーを持っていることを他人に知られないようにするしかないようだ。

※女性セブン2017年7月20日号

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