金氏は、会見で「それ(南北の平和協定)を邪魔しているのが、在韓米軍司令官が持つ韓国軍の戦時作戦統制権。米国は韓国の首根っこをひねるかのように星州にTHAADを配備したが、これは屈辱的なものだ。米国が主導する国連による北への制裁は中断すべきだ」と、反米・親北感情を露わにしたスピーチもしている。筆者は、ミサイル実験を繰り返す北朝鮮と協力関係を築くことができるのか、そう尋ねた。

「緊張関係を口実に全ての交流を中止する考え方は良くありません。統一のためにまずはたやすいことから始め、次に政治や軍事の問題を解決すべき。開城工業団地や金剛山観光は平和に向けた優れた事業だったのに朴槿恵が自分の政権維持のため南北分断を図り、止めてしまいました」

 こうした主張は韓国内では珍しくない。いや、集会のあった15日、文在寅大統領自ら、ソウル市内の別の行事でこう発言している。

「北が核やミサイルによる追加挑発を中断すれば、無条件で対話に臨むことを明言する」「膝を突き合わせ、これまでの南北間の合意をどのように履行するか協議するつもりだ」

 韓国の通信社が速報したこの発言は、日本ではさほど注目されていない。しかし韓国メディアでは、対北融和を掲げた金大中・盧武鉉政権のもとで進められた「太陽政策」の復活を明らかにしたものと受け止められている。

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン