• TOP
  • 国際情報
  • インフラ破壊し1年後に9割死亡 「電磁パルス攻撃」の恐怖

国際情報

2017.07.11 07:00  SAPIO

インフラ破壊し1年後に9割死亡 「電磁パルス攻撃」の恐怖

 物流も滞り、食料や医薬品をはじめとする様々な必需品が不足する。核爆発の高度が低ければ被害範囲は狭くなるため、電磁パルス攻撃を免れた地域から物資を輸送できるが、連絡手段や交通インフラが麻痺した大混乱の中で、迅速かつ正確な輸送は困難となる。

 金融機関への影響も深刻だ。災害時に欠かせない現金を引き出そうにもATMが作動しない。銀行のデータセンターでは預金などの顧客データが使用できなくなる可能性がある。電子取引の停止で証券市場は大混乱に陥るだろう。

 身近な例では高層マンションのエレベーターが停まり、閉じ込められる住人が出る。助けを呼ぼうにも連絡手段がない。警察も消防も職員の招集すらままならず、警察車輌も救急車も電気系統が破壊され動かない。

 水道、ガスの供給も止まるだろう。都市部では災害時用の井戸に長蛇の列ができる。

 3・11の悪夢がよみがえるのが原子力発電所だ。送電線からの外部電源を利用する原発が非常用電源や自家発電で停電に対処できない場合、冷却ができなくなり、福島原発事故のようなメルトダウンが現実味を帯びてくる。

 爆風や放射能の影響で人が死ぬことはないが、直ちに人命に関わるケースも発生する。医療分野では生命維持装置や心臓ペースメーカーが停止する恐れもある。航行中の飛行機が制御機能を失って墜落したり、運転中の自動車の電気系統が破壊されて交通事故が多発したりすることも考えられる。

 この攻撃が厄介なのは、復旧までに多大な時間を要することだ。きわめて広範囲に被害が及ぶため復旧要員や修理装備・備品が圧倒的に不足し、被害の長期化は避けられない。前述の米国の報告書では、復旧まで数週間から数年かかるとされる。

関連記事

トピックス