4横綱3大関が顔を揃えた名古屋場所は、初日から56年ぶりとなる「2横綱3大関に土」という大波乱の場所となったが、とりわけ懸念されているのが稀勢の里の容態である。休場に際して協会には「左足関節靱帯損傷で3週間の安静加療が必要」との診断書が提出された。

「今回、勢との一番で痛めた左足はそれほど深刻ではなく、休場の口実といったところでしょう。3月場所で負傷した左の肩と胸部もほぼ回復していたんですが、場所前の連合稽古で転倒し、左腕を再度、痛めてしまった。こうした“ケガの連鎖”は、誰とでも全力でぶつかり合う稀勢の里のようなガチンコ力士に必ずついてまわる。こうなると再起は難しいのではないかという声まで出ています」(担当記者)

 連続休場が決まると、八角理事長(元横綱・北勝海)は、「本来の自分の相撲が取れるようになるまで、納得のいくまで休めばいい」とコメント。待望の日本人横綱の復活を望む声が今のところは根強いが、その風向きがどこで変わるかはわからない。

「稀勢の里と同じく2場所連続途中休場となった横綱・鶴竜について、師匠の井筒親方が“次に出た時に休場することがあれば(引退を)決断する”と明言。稀勢の里にとっては、自分だけが特別扱いでいいのかというさらなるプレッシャーになるし、鶴竜が潔く引退した場合、稀勢の里に向けられる周囲の目線は厳しいものになりますよ」(前出の担当記者)

※週刊ポスト2017年8月4日号

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