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台湾独立に賭けた男たちの熱き生き様

◆「夢は捨てない」

 王明理の前に本部長を務めた黄文雄は、年数十冊に達する膨大な著書を発表し、台湾と中国の違いを日本人に説き続ける。

「我々は政党じゃなく、運動団体だから、台湾のどの政党とも付き合って台湾の民主化を陰で支えてきた。日本語で八百万の神っていうでしょう。我々は万能じゃないけど、しゃべりがうまい人、本を書く人、お金を出す人、みんな個性があり、それぞれの役割を果たしてきたんですね」

 日本を発源地とする台湾独立運動。民主化した台湾の現状に、宗像隆幸はかつて日本の公安や蒋介石政権のスパイから監視対象となった連盟の事務所があった新宿の安アパートで「台湾の民主化という我々の願いは、ほとんど実現してしまった」と安心したように語った。

 ただ、次世代を担う王明理は、少し違った見方をする。

「昔は一党独裁の中華民国体制を変えれば独立できると思っていたけれど、大陸の中国の力が強くなりすぎて、それが想定外。でも一滴の血を流さずに民主化したことも奇跡ですから、台湾独立の夢は捨てません」

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