このため、現在の沛県政府は沛県こそが高祖劉邦の出身地であると主張。劉邦が亭長を務めていた「泗水亭」のほか、歌風台、高祖原廟、射戟台などを観光名所として売り出したほか、漢代の沛県城を復元したテーマパークも建設しているほどだ。
一方の豊県は「こちらこそ正真正銘の高祖劉邦の生まれ故郷」として、やはり沛県同様、両方の銅像や多くの名所旧跡を宣伝し、観光客を集めている。
このような出身地争いについて、両県は北京にある漢代研究センターに出身地の認定を求めているが、「豊県は生まれ故郷であり、沛県も広い意味で出身地といえる。豊邑で生まれ、沛県でキャリアを積んで、皇帝にまで上り詰めた。劉邦の生涯にとっては、両県とも切っても切れない関係にあることから、両県で協力して、観光を盛り上げればよいのでは…」などと同紙にコメントを寄せている。