在米ジャーナリストの武末幸繁氏


 大統領の移動時、本人と同じ型の輸血用血液が携行されることは広く知られているが、近年では放射性物質による攻撃やバイオテロを想定し、被曝治療のための薬剤や解毒剤なども携行しているという。

 また大統領が外遊や国内各都市を訪問する際、WHMUは訪問先や移動ルート上に高度な医療施設があるかを詳細に調査。あらかじめ選定した病院の医師と面会し、医療措置が必要になった場合の綿密なシミュレーションを行っている。

 1981年の「レーガン大統領狙撃事件」では、こうしたホワイトハウス・ドクターの活躍が大いに評価された。

 当時の大統領主治医は脳神経外科医のダニエル・A・ルーゲ氏。大統領は被弾し、銃弾は肺の奥深くで止まり内出血を起こしていた。

 一刻を争う容態を瞬時に把握したルーゲ氏は、直ちに最寄りのジョージ・ワシントン大学病院への搬送を指示。WHMU所属の外科医をはじめ最高レベルの医師の到着を待たず、大学病院の緊急救命チームに弾丸摘出手術を行わせた。この間、わずか数十分。WHMUが十分なシミュレーションを行っていたからこそ為せた技だ。

 大統領は瀕死の重傷を負いながらも12日後に完全復帰。臨機応変なルーゲ氏の判断は大いに賞賛された。

 しかし、後にルーゲ氏は「このとき、大統領権限委譲のための『第25条第3項』を議会に諮るべきだった」と回想している。

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン