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漢方薬はがん治療の最前線でも使われることもある

漢方はがんの治療にも使われている

「漢方薬で不安に感じることは?」20~80代の本誌・女性セブン読者465人にこうアンケートしたところ、1位は「副作用がある」(75人)、2位は「長期間のむ必要がある」(40人)、3位が「値段が高い」(30人)という結果になった。さらには「いつ効くかわからない」と答えた人も18人いた。

 漢方薬の効果は一般的に即効性が低いと思われがちだが、そうとも限らない。入江漢方内科クリニック吉祥寺院長の入江祥史さんが語る。

「風邪薬のように症状が出たらのみ、数時間で効果が表れる漢方薬もあります。しかし、漢方薬で治療することが多い冷え症や更年期障害などは、2~3か月のみ続けて初めて効果が実感できることが大半。即効性や劇的な効果は期待できないので、効き目を実感する前にやめてしまう人がいるのは残念です」

 漢方薬の穏やかで、確かな効果は、がん治療の最前線で使われていることからも実証済み。がん研有明病院などで、がんの手術後や抗がん剤、放射線治療で体力が落ちた際に、十全大補湯を使って回復をサポートする方法や、副作用で吐き気がある場合、半夏瀉心湯が使われているのだ。では、漢方薬を試そうと思ったら、どこで手に入れればいいのだろうか。

 日本医科大学付属病院東洋医学科部長の高橋秀実さんによると、はっきりした症状があれば医師の診察を受けた方がよいが、「痛みがある」「不眠」「食欲がない」など、病気未満の不調の場合も、まずは病気が隠れていないか検査を受けてから漢方薬を始めるのが良いという。

 医療機関に行くほどの不調ではないと考えるなら、漢方薬局や専門店に行ってみるのも得策。漢方知識のある相談員がじっくり時間をかけて問診し、漢方薬を選んでくれる。

「初めての場合は、少なくとも1時間かけて、症状はもちろん、生活習慣やメンタル面での悩みについてもうかがいます」(薬日本堂、薬剤師の齋藤友香理さん)

 ドラッグストアで手に入る漢方薬と、漢方薬局や医師の処方による漢方薬には同じ名前のものがあるが、その違いは、成分の濃さ。市販漢方薬は処方薬に比べて生薬の割合が少ないと思っていい。

 例えば、「〇〇漢方胃腸薬」が自分にとってよく効くなら、漢方薬局やクリニックでそう伝えると、よく似た成分の漢方薬を処方してくれる。逆の場合も同様に自分が感じたことを伝えよう。これが処方の目安になる。

 また、薬剤師は服用中の薬との相性を考えながら処方するため、漢方薬局でも、病院でも、相談する際はおくすり手帳が必須だ。

 ドラッグストアの漢方薬のコーナーには、症状によって自分で選べるように、チャートやリストを置くなど、工夫しているところも多い。自分の思い込みだけで判断せずに、薬剤師に相談すると安心だ。

撮影/森浩司

※女性セブン2017年8月10日号

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