ライフ

カロリー制限の罪 朝からステーキで10kg減量した医師の金言

肥満の原因は肉の脂の摂りすぎではなかった

 手っ取り早いダイエット法として誰もが一度は実践したことがあるだろう。米やパン(炭水化物)、肉類(脂質)などを極力控えて腹八分目を心掛ける「カロリー制限」である。だが、そんな空腹に耐える日々が“無意味な努力”だと知ったら、がっくりと肩を落とす人も少なくないはず。

『カロリー制限の大罪』(幻冬舎新書)の著者で、北里研究所病院・糖尿病センター長の山田悟氏に、カロリー制限に対する世の中の思い込みや誤解を解いてもらった。

 * * *
──カロリー制限は、1日の食事量を減らして高カロリーの食べ物を控えれば、徐々に効果が表れるポピュラーなダイエット法だと信じて疑わなかったのですが。

山田:もちろん、私もカロリー制限による短期的な体重減量効果は否定しません。ただ、摂取するカロリーの量を減らしてお腹をすかせた状態で食事を止めると、一時的に体重は落ちても、やがて空腹に耐えられなくなりがちです。食事を我慢しきれなくなった段階でカロリー摂取がもとに戻る方がほとんどで、結局は体重も元に戻ることになります。これがリバウンドと呼ばれる現象です。

 短期的に成果を出しても、継続がツラくなってお腹いっぱい食べてしまいリバウンドした経験がある人は読者の中にも多いのではないでしょうか。カロリー制限で体重を減らすと、一緒に筋肉や骨が削れてしまう一方、リバウンドするときは体脂肪だけで戻ります。こうして「ヨーヨー現象」ともいわれるリバウンドを繰り返すことによって、筋肉が薄っぺらく体脂肪率の高い体になってしまうのです。そうなると、ますます痩せにくくなります。

──日本人は1日平均約2300kcal(キロカロリー)のエネルギーを摂取すべしと言われていますが、そもそも食べた物のカロリーを正確に計ることは難しい。

山田:最近は外食店でもメニューのカロリー表示をしているところも増えましたが、自分が食べたと自覚したカロリー量と、実際に摂取しているカロリー量には大きな誤差があるものです。

 細かく1日の食事を記録している人でも、実際の摂取カロリーの75~80%、感覚頼みでカロリー制限している人は60%程度低く見積もっている傾向があります。しかも、太った人ほどそのブレが大きいことが分かっています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン
LUNA SEA・真矢
と元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《80歳になる金婚式までがんばってほしい》脳腫瘍公表のLUNA SEA・真矢へ愛妻・元モー娘。石黒彩の願い「妻へのプレゼントにウェディングドレスで銀婚式」
NEWSポストセブン
昨年10月の総裁選で石破首相と一騎打ちとなった高市早苗氏(時事通信フォト)
「高市早苗氏という“最後の切り札”を出すか、小泉進次郎氏で“延命”するか…」フィフィ氏が分析する総裁選の“ウラの争点”【石破茂首相が辞任表明】
NEWSポストセブン
万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン