「B型肝炎の治療薬も、今年2月に保険承認されました。これはウイルスの増殖を抑制する働きをするもので、ウイルスそのものを攻撃するわけではありません。最初に承認された薬は耐性ができやすく、長く飲むことができませんでした。その後に登場した薬はだんだん耐性ができにくくなってきましたが、人によっては腎臓障害や骨粗しょう症などの副作用がありました。この度の新薬は耐性ができにくく、副作用も少ないため、継続しての服用が可能と思われます」(楡井診療准教授)
B型肝炎ウイルスは、肝臓細胞の中にウイルスの遺伝子の一部を埋め込む。人の遺伝子にB型肝炎ウイルスの遺伝子が入り込むこともあるので完治せず、治療薬を止めるタイミングも難しい。そのため専門医と相談しながら、治療方針を決めることが大切だ。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2017年8月18・25日号