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医療現場の過剰な忖度、胃ろう導入もその場の空気で決まる

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 皮に「忖度」と刻印された「忖度まんじゅう」(関西限定)が土産物として大人気だ。忖度とは、何も新しい言葉ではない。諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、医療の世界における「忖度」の存在と、これからについて考えた。

 * * *
 森友学園・籠池泰典氏の発言に端を発し、急速に広がった「忖度」という言葉。今年の流行語大賞の有力候補であることは間違いない。ただ、この言葉は、流行語に終わらない、日本社会に深く巣食う病理を表す言葉のように思う。

 医療の現場では、よく忖度が働いてきた。たとえば、脳卒中で倒れ、救急車で運ばれた高齢の男性がいたとしよう。病院側は一生懸命救命する。しかし、意識は戻らない。

 家族が、病院に呼ばれる。「どうしましょう」と病院側から聞かれ、「よろしくお願いします」と頭を下げる。何をよろしくなのかよくわからないが、何となく病院側にお任せするというのが、かつてよく見られたやりとりだった。

 だれも本人に寄り添った決断をしないまま、治療が進んでいく。空気が忖度されるのだ。

 今は、病院側も家族にきちんと説明し、文書で確認してもらって、署名も求める。意識が戻らない患者さんに対しては、おなかに穴をあけ胃に直接栄養を入れるための「胃ろう」を設置するかどうかなどの確認をする。

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