「今期の叡王戦はすでに予選が進んでいるが、連盟がドワンゴ側の顔を潰すようなことをすれば今回限りで終了ということもある。ただでさえ、将棋のネット中継を巡る状況は複雑です。4月に藤井四段と羽生善治・三冠(46)の対局が実現した『藤井聡太四段 炎の七番勝負』は、ドワンゴのライバル社であるサイバーエージェント傘下のAbemaTVの企画。ドワンゴ側にとって面白くなかったはず」(観戦記者)
将棋連盟に見解を問うと「コメントはしません」(広報課)とするのみ。一方のドワンゴは、電王戦打ち上げは「中心となる企画が急遽、白紙となり、残念ながら中止した」(広報担当、以下同)と回答。三浦3番勝負については「回答は差し控えるが、三浦九段の名誉回復につながる企画には協力したいと考えている」とした。AbemaTVとの競合は「同じネット業界から将棋界を支えることで一致する頼もしい仲間」とした上で、「叡王戦を終了する予定は現在のところ、全くない」とした。
藤井四段の活躍で将棋中継のコンテンツ価値が上がり、新興スポンサーも登場するなかで、“利害調整”はより複雑になっている。
※週刊ポスト2017年9月1日号