1992年12月、ジョン・メージャー首相(当時)が夫婦の別居を正式に発表。1994年6月、チャールズ皇太子がテレビのインタビューでカミラ夫人との不倫を告白した。同年11月に発売されたチャールズ皇太子の伝記には、こう綴られている。

《ダイアナのことを、一度も愛したことはなかった》

 それから4年後の1996年8月、離婚確定裁判をもって2人の結婚生活は終わりを告げた。

 苦しみから解放され、ようやく新たな人生の一歩を踏み出した矢先の悲劇だった。1997年8月30日、ダイアナ元妃は、パリを訪れていた。恋人のドディ・アルファイド氏と一緒に乗車したベンツを執拗につけ回すバイクに乗った7人のパパラッチとの時速150kmを超えるカーチェイスの末、車は中央分離帯の柱に激突。その後、トンネルの側壁に激しく叩きつけられた。アルファイド氏と運転手は即死。ダイアナ元妃はまだ息のある状態だったが、大破した車から助け出されるのに1時間以上もかかり、病院に運ばれた時にはすでに心停止の状態。いったんは蘇生したものの、日付が変わって8月31日午前4時、死亡が確認された。

 世界中がその余りにも早すぎる人生の終焉を悲しんだ。

◆スキップ・ア・ジェネレーション

 今回のドキュメンタリー番組は、イギリスでは高視聴率といえる16.4%を記録した。

「放送前から繰り返し予告が流れたことで、イギリス国民の気分はかなり盛り上がっていました。“ぜひ何を語るか知っておきたい”という意見の一方、“2人の王子が傷つく”と、ウイリアム王子とヘンリー王子を心配する声も多く挙がっていました」(前出・多賀さん)

 イギリス国内で、今もダイアナ元妃は絶大な人気を誇る。彼女の忘れ形見であるウイリアム王子とヘンリー王子もまた、亡き母を慕う率直な気持ちを口にしている。ウイリアム王子がキャサリン妃との間に生まれた娘に、「シャーロット・エリザベス・ダイアナ」と、ダイアナ元妃から名前を取ったことは、その最たる例だろう。

 反対に、チャールズ皇太子とカミラ夫人への風当たりは、もともと逆風だったものが、放送を経て突風にまで勢いを増している。

「今のエリザベス女王の次に王になるべきはウイリアム王子であるという、『スキップ・ア・ジェネレーション』という意見が加速しています。つまり、チャールズ皇太子とカミラ夫人を、王と王妃とは認めないということです」(前出・多賀さん)

 エリザベス女王は現在91才。いつ時代の転機が訪れても不思議ではない。そんな中にあって、没後20年に明かされた彼女の言葉は、まるでチャールズ皇太子への“リベンジインタビュー”のようにずっしりとのしかかる。

 あれから20年──彼女は元夫や息子たちの姿に何を思うのだろう。

※女性セブン2017年9月7日号

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