「高齢の視聴者から“左手でお箸を持つのはいかがなものか!?”とクレームが数多く入り、途中からヨネスケさんは右手で箸を持つようになったんです」(当時を知る日テレ関係者)
「左利き」が“個性“として認められるようになったのは、2000年代に入ってからである。『左ききのトリセツ』(グラフ社刊)などの著書がある動物学者の實吉達郎さんが解説する。
「ピンク・レディーの『サウスポー』が流行った1980年代あたりから、“左利きの方がかっこいい”という風潮が生まれはじめました。東京の一部の家庭では矯正せずそのまま育てていましたが、まだ全国的ではなかった。全国に広まったのは、2000年代に入ってからです。『サウスポー』を聴いて、王貞治に熱狂した世代が親になったとき、“左利きも個性の一つだから、そのままにしよう”と考えたのかもしれません」
実際、2000年1月の朝日新聞の『声』欄には「左利き矯正、しつけと違う」という投書が掲載され、左利きを直そうとすることは少数派を排斥することにつながるのではないかという議論がなされている。
また、同じ時期に誰もが使いやすい商品を開発する『ユニバーサルデザイン』という概念も広まり、左利きも右利きも使えるはさみや包丁が一般的になった。このように、左利きにとって暮らしやすい世の中になったことも、左利きが増えた一因だろう。
※女性セブン2017年9月7日号