ライフ

オクラ 多少の加熱で栄養価は変化せず、ネバネバは増強

スタミナ満点で口あたりはサッパリのオクラの『肉みそあえ』

 原産地はアフリカ北東部とされ、古代よりエジプトで栽培されていた「オクラ」。「オクラ」は日本語のように聞こえるが、じつは英語名。“Okra”を日本語読みしただけである。日本の市場では、流通するようになって40年ほど。一般的にはまだ新しい野菜である。

 オクラに含まれるぬめりの成分は、ガラクタン、ペクチンといった食物繊維。抗発がん作用や免疫賦活作用で知られるβカロテンもレタスの3倍以上含まれる。また、カリウムやカルシウムも豊富なので、積極的に食べたい野菜だ。

 生のままでも食せるが、加熱にも強い。納豆や山いもと違い、オクラのネバネバは水溶性食物繊維によるものなので、多少の加熱では栄養価は変化せず、加熱によりかえってたくさんのネバネバが細胞から引き出されるため、さっとゆでて和えものなどにするのにぴったりだ。

 家庭料理研究家の松田美智子さんはオクラについてこう話す。

「最近の野菜はすべからず、アクがどんどん失われ、オクラもうぶ毛が細く薄くなっているような気がします。しかし、板ずりは省かないでいただきたいですね。きちんとうぶ毛を処理しますと口あたりがよいですし、何より色が違います。また、粘りが身上のオクラは、包丁でたたくとネバネバも本領発揮。ぜひお試しを」

【オクラの準備】
 オクラは中に穴が開いている。不用意に成り口を切り落として穴が露出すると、ゆでる場合には湯が穴の中に入って水っぽくなる。これを防ぐには、まず成り口を5mm残して切り落とし、ガクを剥き取ること。こうすると頭の部分も食べられて一石二鳥。このあと、必ず板ずり(まな板に並べ、塩をふって手で転がす)をしてうぶ毛を除去する。下ゆでする場合は、くれぐれもゆですぎないこと。

■『オクラの肉みそあえ』のレシピ

【1】オクラ1パック(10本程度)は、【オクラの準備】を参照して下処理をする。

【2】まな板に互い違いに並べて塩大さじ1をふって板ずりをし、沸騰した湯でさっとゆでて冷水に取る。キッチンペーパーで水気をていねいに押さえておく。みょうが2本は小口切りにして塩小さじ1/3をふって軽く絞っておく。

【3】小鍋にしょうがのみじん切り大さじ1とごま油大さじ1を合わせて中火にかける。香りが立ったら鶏ひき肉100gを入れてほぐしながら炒め、ねぎのみじん切り1/4本分を加えてさらに炒め、酒大さじ3をよくなじませて炒め煮にする。

【4】みそ大さじ1.5、みりん大さじ2を器に混ぜ合わせ、【3】に味をみながら加えて味を調えて、汁気がなくなるまで炒め煮にする。

【5】オクラを器に盛って【4】の肉みそをのせ、みょうがをあしらう。

撮影/鍋島徳恭

※女性セブン2017年9月14日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン