「菅さんの党内基盤は石破氏とかなり重なる。石破氏は次の総裁選に必ず出馬するし、党員票では1位になる可能性が高い。麻生・岸田連合ができるなら、菅・石破連合で対決する構図になる可能性が高い」(額賀派ベテラン議員)
もう一人の実力者、二階俊博幹事長も指をくわえてみているはずがない。本誌・週刊ポスト前号で報じたように、さる8月25日に自民党内に反安倍勉強会「日本の明日を創る会」が旗揚げした。
安倍政権を支える二階氏は本来なら反安倍勢力の切り崩しの先頭に立たなければならない立場のはずだが、この会には中心メンバーの平沢勝栄氏をはじめ二階派から5人の国会議員が出席していた。出席した議員の1人が明かす。
「将来、安倍倒閣運動の砦となるかもしれない勉強会に参加するのだから派閥の内諾なしで行動するわけにはいかない。二階派のメンバーも事前に幹事長に話を通したところ、二階さんは『おう、わかった。どんどんやってくれ』と二つ返事でOKを出してくれたそうだ。口ではいち早く安倍首相の総裁3選を支持すると打ち上げているが、政権は長くないと見ている。策士の二階さんはポスト安倍政局で一番いいカードを握ってキングメーカー的存在になるために、複数のアンテナを張っている」
麻生氏、菅氏、二階氏と3人の重鎮が“次の時代”をにらんで動き出す中、“軍師”を失い、配下も次々と去り、官邸の総理執務室で「ひとりぼっち」になった安倍首相。この孤独に耐えるだけの気力が、彼に残されているだろうか。
※週刊ポスト2017年9月15日号