国際情報

中国で若者に茅台酒流行 製造会社の時価総額が8兆円超に

中国の若者の間で茅台酒が流行中

 中国の高級酒として知られる「茅台(マオタイ)酒」の売れ行きが今年に入って急増し、代表的な製造会社、貴州茅台社の株価も急激な右肩上がりを記録し、株式時価総額はすでに5000億元(8兆3500億円)を突破した。

 中国では茅台酒のような蒸留酒は白酒(パイチュー)と呼ばれ、度数が50度を超えるのが普通で、これまで若者には人気がなかったが、このところ都市部の若者には白酒をベースにしたカクテルが人気となっており、今後も茅台酒などの白酒市場は拡大を続けてそうだ。

 茅台酒は高粱(コーリャン)などを原料とする中国南部・貴州省の特産品で、通常「貴州茅台」と呼ばれる。独特の甘い香りが特徴だ。1972年の日中国交正常化の宴席で、中国側が中国の最高級酒として紹介し、当時の周恩来首相が田中角栄首相と乾杯したことで日本でも有名となり、一時「茅台酒ブーム」が起きた。
 
 だが、2012年末に発足した習近平指導部は反腐敗運動を打ち出し、接待が激減したことや、倹約令も出たことで、茅台酒のような高級酒の売り上げは激減。一時、2000元(約3万3000円)の値段が付いていた500ミリリットル瓶のアルコール分53%の茅台酒はほぼ半値の1129元に値下げせざるをなくなった。

 ところが、これが逆に、庶民にも手が届く値段となったことから、所得が向上した中間層による購入が増加。今年上半期の売り上げは前年同期比40%増の255億元を記録した。

 製造元の貴州茅台社の上海市場での株価は400元を突破し株式時価総額は4月に4935億元となり、蒸留酒メーカーとして世界1位になった。その後も、株価は上昇しており、8月にはこれまでの最高値の500元も突破するほどの勢いを記録した。

 若者の間でも白酒ブームが高まっているものの、その一方で、中国では若者を中心にワインの消費も高まっていることなどから、茅台酒の消費が将来的に継続して伸びるかどうかを不安視する見方も酒類業界からは上がっているという。

関連記事

トピックス

新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン