○麒麟児(上手投げ)富士櫻● 1975年夏場所8日目
「天覧相撲での激闘」
両力士の激しい突き合いで始まり、両者血まみれになりながらの攻防が続く。双方繰り出した突きは合計108発。最後は麒麟児がとっさに繰り出した上手投げで決まった。天覧相撲での歴史に残る名勝負。
○魁傑(すくい投げ)旭國● 1978年春場所7日目
「『最長』10分19秒の一番」
小兵の旭國と苦労人の魁傑との一番は2度の水入りで、結びの一番のあとに取り直しとなった。しかしそこでも水入りとなり、合計10分19秒の大相撲となる。NHKが放送時間を25分延長した。
○北の湖(つり出し)輪島● 1977年春場所千秋楽
「北の湖、初の全勝優勝」
北の湖の右上手投げと輪島の左下手投げの打ち合いが続き水入り。再開後に北の湖が慎重につり出した。3分を超える大相撲で北の湖は横綱として初の全勝優勝。「憎らしいほど強い」黄金期を迎える。
■取材・文/鵜飼克郎
※週刊ポスト2017年9月29日号