スポーツ

角居勝彦調教師 競馬場に右回りと左回りある魅力解説

角居勝彦調教師が「左回り」「右回り」を語る

 中山・阪神がともに右回りのため10月からの東京開催に照準を合わせている関東馬が多いという。さらに10月半ばからは3週ずつ新潟と福島の裏開催がある。どの競馬場で走らせるか、管理する側の判断が問われる季節だ。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、右回りと左回りによって生まれる競馬の面白さについてお届けする。

 * * *
 馬の左手前と右手前。その得手不得手は競馬場の左回り右回りの得手不得手にも微妙に関係してきます。

 左手前が得意な馬は左回り巧者、右手前が強い右利きなら右回りがよさそうですが、1回の競馬、同じ手前で走りきることはありません。前号でも書いたように、ずっと同じ手前で走ると疲弊してスピードが落ちてしまいます。だから、何度か手前を替えつつ、勝負所で得意な手前を使えればそれが一番いいと思います。

 JRAの競馬場のうち左回りコースは東京、新潟、中京。それ以外の7つの競馬場は右回りです。関西の主戦場である京都も阪神も右回りだから、栗東勢は右回りが得意になる傾向にあります。しかし、それは右回りのコーナー経験が多いということで、右手前が得意ということではありません。利き脚は人間と同じで生まれながらにして持っているものです。

 東京競馬場はダービーやオークス、天皇賞(秋)やJCといった大レースが行なわれます。得意不得意というより、力のある馬が結果を出せるコースになっているといわれています。「広い東京コースでこそ」という馬は、それほど器用ではないけれど、素質は高いという馬に対しての言葉ですね。関西馬にとっては、日頃あまり走り慣れていない左回りですが、大レースを狙うからには、ぜひ克服したい競馬場です。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン