ライフ

ハーレー駆使する災害救済ボランティア 中心構成員は60~70代

メンバーは60~70代が中心(撮影:渡辺壮一)

 平均寿命が延びる昨今、リタイアしてからはどうしよう──そんな、「第2の人生」のスタート地点で、選択肢の一つとして出てくるのが、ボランティアだ。“これからは、社会のために”と一念発起し、「定年後ボランティア」で汗をかく老後を選んだ人に密着した。

「災害時には携帯電話も通じず交通機関もマヒする。何らかの連絡手段が絶対必要だ」

 定年退職の少し前、東京に単身赴任していた時に東日本大震災に遭遇した松田博美さん(65)はそう実感した。そして定年後、居住する三重県名張市でボランティア団体を立ち上げることになる。

「退職金で、憧れのハーレーダビッドソンを中古で購入しました。そこで知り合った同年代のバイク仲間と、災害時に活動するボランティア団体を作ろうと意気投合。

 地元の社会福祉協議会と連携し、日頃は自然災害が起きた想定で市内各地をランダムに走って、無線が通じる地域の確認を行なっています。20km四方なら無線が通じることがわかりました」

 メンバーは定年退職後の60~70代が中心だが、最近、35歳の若手が入会した。66歳の幸田洋さんは、

「子育ても終わって自由な今、好きにしたいよ。女房からは危ないと言われるけど、オシッコも近いし、休憩はこまめに取ってるよ」

 と笑う。シニアライダーたちは、ボランティア活動で仲間と一緒に走ることが何より嬉しそうだった。

【団体DATA】「バイク無線隊」:名張市社会福祉協議会と連携し、大規模災害時の情報収集、物資輸送を目的に2017年3月11日設立。防災士やアマチュア無線資格所持者など35~70歳のメンバー12人で構成。

※週刊ポスト2017年10月13・20日号

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン