皇族方の食卓に上る食材を生産するための牧場「御料牧場」(栃木県)の職員に不祥事が相次いでいる。10月3日、御料牧場の50代の畜産課長が、必要な許可を得ないまま散弾銃2丁と空気銃1丁を所持していた銃刀法違反容疑で逮捕された。その4か月前には、畜産課に所属する40代の男性職員2人が業務中、部下に殴る蹴るなどの暴力を振るっていたことを地元紙が報じた。さらに、暴行を働いたうちの1人の職員は、飲酒運転で懲戒処分を受けている。
御料牧場の職員は宮内庁に雇われた国家公務員だ。皇室ジャーナリストの神田秀一氏が話す。
「逮捕された職員をはじめ、宮内庁職員としての立場を自覚しておらず、モラルの低下がみられると思います。特に地方の施設だと、天皇陛下をはじめとする皇族方をおそばで見る機会もほとんどなく、“自分は誰のために、何のために仕事をしているのか”を見失うことも生じるわけです」
近隣住民は、こんな噂を耳にしていた。
「5月の連休頃、“たけのこ泥棒が出たらしい”って噂になったんです。敷地内に侵入者があったとなれば、もし皇族方がいらっしゃったときだったとしたら大問題ですよね。でも、あるときを境にその話題がぴたっとやんだんです。どうやら、たけのこは職員がこっそり掘って持ち出していたようなんですよね。身内で“犯人捜し”をするわけにもいかず、宙ぶらりんだそうです」
さらに取材を進めると、神田氏の言う「モラルの低下」を物語る問題行為が浮かび上がってきた。目撃した近隣住民が語る。
「御料牧場の広々とした敷地内でゴルフの練習をしている人を見たときは目を疑いました。素振りだけならまだしも、ボールを打っているんです。警備が厳しい敷地内ですから、わざわざ一般ゴルファーがクラブを持って侵入して練習しているとは思えないし、宮内庁の職員なんでしょうね」