島崎さん:辞めて1年ぐらいで“あ、この生活を続けていくとちょっとまずいことになるんじゃないか”と。どうしたらいいかなと思ってた時に、セブンを読んだら先生の家計簿の特集に目がいって。“絶対に続けられる”って書いてあって。私、何も続いたことがないので、私じゃ絶対無理だ、と思ったんですよ。でも、1回乗ってみようかなって(笑い)。1回やって続かないことを証明しようかなって。値段も500円と安いし(笑い)。
細野:家計簿って、続かないのが世の中の常識、のような雰囲気がありますものね。ただ、現実問題として、家計管理は必要だ、ということで、三日坊主代表の島崎さんがチャレンジしてみたのですね。
島崎さん:それでやったら、あれ? 私でも1年できた!って。すごいびっくりして。友達にもみんなに話して。私でも1年続いたから、みんなのほうがきちっとしているから絶対に続くよって。それでも家計簿は続かないといった定説が強くあるから、なかなか信じてもらえなくて…。
細野:島崎さんも世の中の常識と戦ってくれていたんですね(笑い)。家計簿は戦前からあるものなのですが、なかなか“続かないモノ”ということが常識のようになっていると、人は行動しにくくなるんですよね。ただ、日本は世界一の高齢大国でもあるので、まさに島崎さんのようなリタイア世帯が、自分の消費行動を現役世代の時から変えられずに家計管理をしていないと家計が破綻するリスクも高くなるんです。だから、できるだけ早く家計簿の習慣をつけないと危なくなってしまうのですが、なかなか常識をひっくり返すのは難しいですね。
島崎さん:はい、でも去年、私が雑誌に載せていただいたことで、やっとみんなに認めてもらえた(笑い)。2~3年言ってたんだけど、誰も認めてくれずに(笑い)。やっと認めてくれて、去年は何人か買ってくださったんですよ。
細野:友達想いの努力はむくわれたんですね。でも、なぜこれまで島崎さんは家計簿が続かなかったんですかね?
島崎さん:私もなんで今まで家計簿をつけるのに失敗したのかなーって考えてみたら。家計ノートは残高をつけるところがないですよね。残高を書いて財布の中身と合わせると、なかなか合わなくてイライラするんです。そしてたいてい1週間ぐらいで挫折していたんです(笑い)。
細野:そうそう、銀行員じゃないんだから(笑い)。1円までピッタリというのは、そもそも無理があるんですよね。もちろん残高を把握したい人も上手に使えるようにはしているのですが、みんなに押し付けはしないんです。
島崎さん:それだ。家計ノートは本人が一番使いやすいようになっているから私みたいなゆるゆるタイプでもオッケーなのがよかったんですね。
※女性セブン2017年10月26日号