国内

安倍首相「過半数は堅い」の報告も喜ばず 目標喪失原因か

楽観報告にも笑顔がないのはなぜ?

 衆議院の解散を決めた直後から、安倍晋三・首相の言動はおかしかった。臨時国会の冒頭で衆院を解散したものの、恒例の記者会見を嫌がって開かない。選挙の応援でも、公示日(10月10日)までは遊説日程を隠して遊説先をコロコロ変更する“ステルス作戦”をとった。安倍側近筋はこう心配している。

「総理の持病の潰瘍性大腸炎にはストレスが大敵。“もり・かけ問題”と稲田問題で通常国会の終盤は総理の体調は最悪だったが、夏の休養で持ち直し、元気を取り戻していた。だが、解散を決めた途端に小池新党や民進党の解党が続いて眠れない夜が続いたようで、体調がまた悪くなった。選挙中は体調管理のために医師が遊説先で待機するシフトになっており、官邸の側近たちも“これなら過半数は絶対大丈夫です”と総理を励ましているが、いつものように喜ばない」

 その理由は目標喪失にあるのではないか。政治ジャーナリストの藤本順一氏の指摘だ。

「安倍さんは一応、憲法改正を公約に掲げてはいるが、かつてほどの情熱が見えなくなってきた。改憲実現のため、自民党草案の国防軍創設を曲げて憲法9条に自衛隊を明文化するだけの現実的な安倍私案を提案したが、自民党内から批判され、公明党にも支持されなかった。衆院の3分の2を失う可能性が高いことを承知で解散・総選挙に踏み切り、自公で過半数という消極的な目標を設定したことを見ても、自分の手で憲法を改正するという意欲が失せていることが窺える」

 以前、安倍首相は周辺にこんな思いを漏らしていた。

「ごく親しい友人の何人かは、総理から“『国防軍の父』と呼ばれたい”というニュアンスの言葉を聞いている。憲法改正したいという気持ちの奥底に、子どもがいない総理が国防軍創設の父として歴史に名を刻みたいという思いがあったのではないか」(安倍側近筋)

関連キーワード

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン