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2017.10.22 07:00  週刊ポスト

建築家・安藤忠雄氏 がんから生還し「何があっても凹まない」

「普通は模型を外注しますが、彼ら学生をメンバーに加えて自分たちで作っているんです。薄い木板を積み上げて、このサイズなら6人が必死に取り組んで半年間かかります。すごいでしょ。こんな模型がたくさんあります。

 私も手伝ってもらおうと学生を呼ぶけど、あまりに大変で学生たちが途中で絶望的になるんです。だから1回経験すると、次に声をかけても二度と来ない(笑い)。でも一度でいい。若い時に何かひとつでいいから、死に物狂いで挑戦するといい」

 見た目は厳しく気難しそうだが、大阪下町の人情溢れる気さくな性格。建築家としては異色の経歴を持つ。

 高校2年生の時にプロボクサーになったが、後の世界王者・ファイティング原田の練習風景に衝撃を受け限界を感じてボクサーの道を諦め、中学時代から興味があった建築の世界を目指した。

 とはいえ、経済的理由と学力の問題もあって、専門学校にも大学にも行かず、アルバイトをしながら独学で建築を学んだ。そこには幾多の苦労があったはずだが、「それほど努力はしていない」と言う。

「私は元々闘争的な人間で、失敗してもその次、さらにその次を考えて前に進んできました。何があっても凹まないんですよ」

 その強靭な精神で大病も乗り越えた。2009年にがんが見つかり、胆嚢、胆管、十二指腸を摘出。2014年にはすい臓と脾臓も摘出した。さすがに当時は絶望したが、「この通り、内臓がなくても問題ない(笑い)」とあっけらかんとしている。

「気力と目標があれば大丈夫。むしろ良いこともあって、医者の指示通りに前より規則的な生活を送るようになりました。朝7時に起きて食事を30分かけてゆっくり食べる。歩いて事務所へ通う。1日1万歩が目標です。ほら、今日もまだ午前11時だけど、7000歩も歩いていますよ」

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