芸能

25歳男性モデルを襲ったセクハラ被害 その卑劣な手口とは

多くの観客に注目されてランウェイを歩けると思ったら…

 米アカデミー賞作品をいくつも手がけた大物プロデューサーによるセクハラ事件は、まだ終わりを見せそうにない。これまでは、絶大な影響力を持つ彼への配慮からもみ消されてきたという。セクハラする側が権力を持っていたり、被害を受けているはずの告発者が非難されることもあるため、こういった事件は表沙汰になることが少ない。被害者が男性であれば、さらに難しい。もちろん日本でも事件は起きているが、なかなか表面化しない。ライターの森鷹久氏が、ある日本人男性モデルが遭遇したセクハラ事件についてレポートする。

 * * *
「夢だけでなく、人格も踏みにじられた。二度と顔も見たくない」

 ファッションモデルの翔太さん(仮名・25歳)が怒りに肩を震わせるのは、自らも出演者としてランウェイを歩いた、一昨年に開かれたとあるファッションショーで受けた”被害”についてである。このショーに出たことで、金銭的にも、そして自身の体、精神まで汚されたと訴えるのだから、穏やかではない。

「最初はSNSで、ショーの関係者を名乗る人から直接メッセージが来たんです。怪しいとは思いましたが、某芸能人も参加し、有名な企業も協賛するショーだと知り、オーディションに参加しました」

 すでに何度か開催されていたそのショーだが、かつて見たことがあるという人物によれば、都内の中規模のホールを丸一日貸し切って行なっていたという。ただ、事前にホームページなどでイメージ告知されているような派手な装飾はなく、司会進行もグダグダ。何よりも、パラパラと数えられるくらいの観客数に対し、ステージ上に上がる”モデル”の多さに唖然としたという。観客より多いモデル…この謎も、後に翔太さんは知ることになるのだが…。

 オーディションでは、ウォーキングなどを見られるのかと思いきや、ショーの最高責任者と少し会話をし、下着姿になってボディラインのチェックを終えただけで”オーディション”は終了。その場で合格が言い渡されてあっけにとられたのは翔太さんだった。

「あれ? と思いましたが、君には素質があるとべた褒めされて、有頂天になりました。ただ、後から知らされたのは、一枚数千円もするチケット販売のノルマを課せられたこと。基本的にギャラは出ず、ノルマ達成分以降の売り上げの一部が”ギャラ”になるということでした。変だと思ったけど、合格した以上後には引けなくて」

 翔太さん以外にも合格者がいたが、一人一人聞いて回ると、それぞれが条件付きの「合格」だった。例えばあるモデルは「数万円のウォーキングレッスン代」をショー主催者に支払うことが前提だったり、別のモデルに至ってはショー当日の「数千円のヘアメイク代」を要求されている、といったことだ。彼らに課せられた「チケット販売」のノルマは、翔太さんに課せられた枚数よりも1.5~2倍と多めに設定されていることも不自然だったが、他のモデルよりも優遇されていると感じた翔太さんは喜んだ。

 だが、思った以上にチケットは売れず、親族や友人にお願いをして買ってもらっても、ノルマの半分以上が手元に残った。そんな時、連絡をくれたのはショーの関係者だった。

「ノルマに困っているんじゃないか? と心配してくれている人からの電話でした。いわく”大量にチケットを買ってくれる人がいる”とのことで会ってみると、会社経営者の中年男性・X氏。最初は関係者と三人で食事をして、そのX氏と二人で飲み直しました。ベロベロに酔っぱらったところで、X氏はキスをしてきた。そして、体の関係を持たないとチケットを買わない、と言われてしまって……」

関連記事

トピックス

事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
笑顔に隠されたムキムキ女将の知られざる過去とは…
《老舗かまぼこ屋のムキムキ女将》「銭湯ではタオルで身体を隠しちゃう」一心不乱に突き進む“筋肉道”の苦悩と葛藤、1度だけ号泣した過酷減量
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン
チームを引っ張るドミニカ人留学生のエミールとユニオール(筆者撮影、以下同)
春の栃木大会「幸福の科学学園」がベスト8入り 元中日監督・森繁和氏の計らいで来日したドミニカ出身部員は「もともとクリスチャンだが幸福の科学のことも学んでいる」と語る
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン