敗因について聞かれると、悲しげな表情を見せた後「これまでの言動などにですね」と一瞬、うつむいて笑みを浮かべた。笑ったものの、口角が上がったのは片側だけ、上まぶたは下がっていた。心理学者のポール・エクマンが「みじめな微笑み」と呼ぶ笑い顔に似ている。この微笑みは顔に非対称で表れることが多く、みじめな否定的感情を経験したことを認める微笑みだとエクマンは言う。つまり、当人は苦笑いして辛い気持ちに耐えようとしているわけで、小池代表の心中が察せられる。

「排除」という言葉が独り歩きしたという小池代表。「不快な思いをさせて申し訳ないと思っている」と言った後すぐに、「まぁ」と語気を強めた。反論したいという気持ちが、どこかにあるのだろう。「政策本位を考えて」と続けた。そして「こういう厳しい結果に」と大きく首を傾げたのだ。どうしてここまで厳しい結果になったのか、納得がいかないようだ。それでも「真摯に受けとめたい」と口をしっかりと結んだ。

「戦略ミスでは?」と問われた時も、「反感を抱かせてしまった」と首を傾げた。それがなぜなのか、なぜそこまで反感を買われたのか、自分のやり方を信じてやってきた小池代表には、その感覚がわからないのだろう。

 さて今回の選挙、希望の党で当選したのは元民進党議員がほとんど。その結果を受けて、希望の党が分裂するのでは?と危惧する声もある。日本テレビ『zero×選挙2017』で、今後の党運営について、嵐の桜井翔さんに聞かれた小池代表は、「勝ち上がってきた皆さんとともに」とここでも首を傾げた。ここで首を傾げるとは、どういうことだ?

 続けて分裂について聞かれると、それまで動いていなかった手が動き、身体が揺れた。身体の動きは不安や動揺の表れともいえる。心の中では、今後の党の動きに不安があるのかもしれない。それでも「当選された人たちと話し合いながら進めたい」と言ったものの、上唇が見えなくなるほど唇をギュッとつぐんだのだ。やはり、分裂への不安は強いのだろう。唇が見えなくなるほど口を結ぶのはストレスや不安が強いからといわれる。

 とはいえ、「これから皆さんと考えて…」と言いながら、また首を傾げ、他のインタビューでも「皆さんのご意見を聞きながら進めていきたい」と言うものの目をギュッとつむって、それには気が進まなそうな仕草を見せた小池代表。分裂は嫌だけれど、みんなの意見で党運営するのもちょっとね、というところだろうか。

 果たして、希望の党にこの先「希望」はあるのだろうか。

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