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中国スポーツ界のドーピング 亡命医師が初証言

 1990年代に入ると、競泳女子選手が世界新記録を次々と刷新していったが、1994年の広島アジア大会で複数の選手の薬物使用が発覚。同大会では中国競泳女子が全15種目で金メダルを獲得したものの、そのうちの11人がドーピング検査で陽性となり、メダルが剥奪された。

 また、陸上競技指導者の馬俊仁氏率いる陸上の女子中長距離走チーム「馬軍団」は世界記録を塗り替えていったが、やはり薬物疑惑がつきまとっていた。それを裏付けるように、馬軍団の主力選手ら9人が著名な中国人作家、趙瑜氏に長期にわたる薬物使用を告白。その取材結果が趙氏の著書「馬軍団調査」で克明に明らかにされている。

 薛氏もドーピングを強く批判し、「対外的に事実を暴露する」などと国家体育総局幹部に迫ってきたが、逆に政府当局に脅され、警察による24時間態勢の監視が行われ、長男が一時投獄されたこともある。身の危険を感じた薛氏は長男夫婦とともに今年6月、駐中国ドイツ大使館の支援を受けてドイツに渡り、現在亡命申請中だ。

 また、薛氏は中国のドーピングの実態を示す証拠を国際オリンピック委員会(IOC)に提出する意思を明らかにしている。

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