芸能

須藤凜々花と矢口真里 愛とアイドルと暴走について

須藤凜々花と矢口真里 イラスト:ヨシムラヒロム

 元NMB48の須藤凜々花と、矢口真里。この二人に共通するのは恋愛スキャンダルの主役となったアイドルという点だ。須藤は今年の「第9回AKB48選抜総選挙」で、20位にランクインした壇上スピーチで結婚宣言し大騒動となった。矢口といえば小栗旬との恋愛スキャンダルでモーニング娘。を卒業、結婚後の不倫騒動で活動を自粛していた時期がある。その矢口が司会をするインターネットテレビAbema TVの番組に、須藤がゲストとして招かれた。イラストレーター、コラムニストのヨシムラヒロム氏が、一世代違うアイドル・矢口によって引き出された須藤のアイドルらしさについて考えた。

 * * *
 パソコン、スマートフォン向けテレビ「AbemaTV」が面白い。オススメしたいのが、火~日曜日の深夜1~3時放送の帯番組「The Night」。毎日異なったパーソナリティが話す、Abema版オールナイトニッポン。話題の人をいち早くブッキングする。

 水曜日担当は矢口真里、ゲストはアイドルオンリー。

 10月17日放送、ゲストで登場したのが元NMB48の須藤凜々花。アイドル界イチのトリックスターである。

 現れた須藤を見て、矢口がまずツッコンだのはアイドルとは思えない若手ラッパーのようなルック。ダボダボのウィンドブレーカー、なかに着るのは「DAMN.」Tシャツ。須藤が総選挙で結婚宣言をした翌日にも着ていた代名詞的な一品だ。

 ちなみに「DAMN.」の意味は「クソったれ」、彼女が愛するHipHop用語である。

 アイドル然としたラブリーな見た目に相反する過激さ、それが須藤の魅力だ。当人からすれば「好きなものを好き」と言っているだけ。しかし、アイドルとなると普通のことも過激と捉えられる。

 NMB48を卒業することになり、ミュージックステーションで須藤SPが組まれた。最後の挨拶をした彼女はこう叫ぶ「うぇいよー!」

 ラッパーUZIの有名フレーズだが、知っているのは好事家オンリー。

 HipHopへの愛は深い。ツイッターのアカウント名も須藤凜々花a.k.a.りりぽん。a.k.aとは「also known as」の略。日本語に訳すと「別名」、ラッパーネームにも頻繁に用意られる言葉である。

 矢口は聞く「りりぽん、今後出たいAbemaの番組ないの?」

 須藤は答える「漢たちとお散歩」

 ここで語られる”漢”なる人物の正式名称は、漢a.k.aGAMI。新宿のアンダーグラウンドシーンから現れた強面のラッパーである。

「漢たちとお散歩」とは、そんな男が仲間を引き連れて、飲んで食って、即興ラップをする番組。大概のアイドルが好む番組ではないし、ましてアイドルファンが出演を望む番組でもない。

 須藤は異端のアイドル、アイドル道へ入った理由も一味違う。

 中学の授業を通して哲学に興味を持つ。

「哲学者になりたい。そのためには人間を見る目が必要。ならば、大量の人と握手できるアイドルは適格だ。しかも、大学へ行くための学費も稼げる」と高校2年生(17歳)の進路相談で気づく。

 2013年に開催されたAKB48グループドラフト会議にて、最多の3チームからオファー。くじ引きの結果、NMB48のチームNのメンバーとなった。

「指名チームがドラフト参加者のなかで一番多かったので、松坂大輔みたい! と言われた」と話す。ここから彼女の快進撃がスタート。

 19歳にはNMB48のシングル曲「ドリアン少年」でセンターを務め、趣味の麻雀を活かした冠番組「りりぽんのトップ目とったんで!」がスタートし、目標であった哲学書「人生を危険にさらせ」(幻冬舎)も上梓。

 2年間のアイドル活動で、ここまでの成果を残した。

 20歳、第9回AKB48選抜総選挙にて結婚宣言。アイドルを卒業し、今現在はタレントとして活動中だ。

 側から見れば、暴走気味なアイドル活動。しかし「人生を危険にさらせ」を読めば、須藤の行動原理が理解できる。

 前書きの「明るくポップに反社会的で、そして無邪気に反時代的なものであるかもしれない」という文章。本の説明として書かれたものだが、須藤の人格とも読める。

関連記事

トピックス

第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン