国内

千葉県野田市 しょうゆ作りが盛んになった秘密は地形にあり

キッコーマン野田工場のガイド付きの見学は約60分

 千葉県野田市は、一大しょうゆメーカー『キッコーマン』が生まれた場所。その歴史は350年以上に及ぶ。なぜ、この地でしょうゆづくりが盛んになったのか? その秘密は、野田の地形にあったようで…。

 東武鉄道野田市駅を降りると、真っ先に目に入るのが、高さ約30mの大豆サイロ。その大きさは、思わず見惚れてしまうほどだ。

 ここでしょうゆづくりが本格的に始まったのは、約350年前のこと。江戸幕府が成立して間もない頃だ。

「野田は、利根川と江戸川に囲まれているため、しょうゆの原材料である大豆や小麦、塩を船で運搬することができました。また、しょうゆを大量消費する江戸からもさほど遠くないため、船で頻繁に運ぶことができたので、しょうゆづくりが発展しました」(『キッコーマンコーポレート』コミュニケーション部の小野純子さん・以下同)

 現在、野田工場に併設する『もの知りしょうゆ館』で、そんなしょうゆの歴史や、しょうゆづくりの工程が見学できるのだが、工場見学の歴史も古く、江戸時代から行っているという。明治期には歌舞伎役者なども訪れ、いつの時代も賑わっていたようで、館内には、そんな歴史を垣間見られる絵も飾られていた。

 見学をして初めてわかったのが、キッコーマンしょうゆには、門外不出の麹菌“キッコーマン菌”が使用されている、ということ。当然といえば当然なのだが、どんな菌を使うかで味が違うのだ。

「敷地内の御用蔵では、宮内庁に納めるしょうゆを代々つくり続けています。原材料はすべて国産。杉の桶で熟成させるのですが、この蔵は当時のまま移築していて、蔵の中も見学できますよ」

 普段、あまりに身近なしょうゆだが、その知られざる世界を知るのは興味深い。香ばしい香りに包まれていたら、おせんべいが食べたくなった。そんな人も多いようで、野田市内にはせんべい店が多いそうだ。

撮影/浅野剛

※女性セブン2017年11月30日・12月7日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《スクショがない…》田中圭と永野芽郁、不倫の“決定的証拠”となるはずのLINE画像が公開されない理由
NEWSポストセブン
多忙の中、子育てに向き合っている城島
《幸せ姿》TOKIO城島茂(54)が街中で見せたリーダーでも社長でもない“パパとしての顔”と、自宅で「嫁」「姑」と立ち向かう“困難”
NEWSポストセブン
小室圭さんの“イクメン化”を後押しする職場環境とは…?
《眞子さんのゆったりすぎるコートにマタニティ説浮上》小室圭さんの“イクメン”化待ったなし 勤務先の育休制度は「アメリカでは破格の待遇」
NEWSポストセブン
女性アイドルグループ・道玄坂69
女性アイドルグループ「道玄坂69」がメンバーの性被害を告発 “薬物のようなものを使用”加害者とされる有名ナンパ師が反論
NEWSポストセブン
遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
1970~1990年代にかけてワイドショーで活躍した東海林さんは、御年90歳
《主人じゃなかったら“リポーターの東海林のり子”はいなかった》7年前に看取った夫「定年後に患ったアルコール依存症の闘病生活」子どものお弁当作りや家事を支えてくれて
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン