ライフスタイルが変われば飲み屋選びも変わるもの。しかし気に入った居酒屋を探すのはなかなか難しいものだ。呑兵衛の達人はどうやって良い店を探し当てているのか。
もちろん飲食店である以上、酒と料理のクオリティに注文はあるだろう。一般的に、全国各地の地酒や焼酎が数多く揃っている店は「気の利いた店」と思われがちだが、必ずしもそうとは言えないようだ。ある居酒屋のオーナーが打ち明ける。
「あまりに多くの種類を揃えると、物によっては空になるまで日数がかかってしまう。そうなると、最後は古くなった酒を出すことになりますから、店主が厳選した酒を揃えている店の方がいい。店に置いてある酒について、店主に質問するのも一手。こだわりが見えてきます」
食品安全教育研究所代表の河岸宏和氏はこんな見方をする。
「店の扱い方によって味が変わるのが生ビール。飲み干した後のグラスやジョッキの内側に『エンジェルリング』と呼ばれる泡の輪が二重三重についていれば、優良店とみてよいでしょう。ビールサーバーやジョッキ類が綺麗に洗浄され、温度や炭酸ガス濃度がしっかり管理されている証拠です。店主が酒だけでなく“食材を大切にする人”であることがわかります」
料理でまずチェックすべきはメニュー品目だ。
「印刷された定番のメニューとは別に、壁の黒板などにその日のお勧めメニュー、旬のメニューなどが書かれている店は、仕入れに力を入れている証拠です」(前出・河岸氏)