習氏のトイレ革命の原点は自身の高校生時代に遡る。文化大革命(1966~1976年)で青少年が革命精神を学ぶための教育の一環で陝西省の片田舎に下放されたが、習氏もこの経験をしたのだ。農村部ではトイレは男女共用で、扉も敷居もない「開放空間」に大きな衝撃を受けたという。
習氏が村の党幹部になった際、最初に実施したのはトイレを男女別で個室にすることだった、というエピソードも残っている。
『習近平の正体』の著書もある中国問題に詳しいジャーナリスト、相馬勝氏は「いまや、習氏は中国共産党の最高指導者として、『中国を世界一の大国にする』と強調しているが、トイレが50年も前の文革時代のままだったら、中国がまったく進歩していないことになるだけに、一連の『トイレ革命』キャンペーンは欧米諸国などの先進諸国を意識したものであるのは間違いない」と指摘している。