「血液内の一酸化窒素の量が増えると、血管平滑筋という血管の内側の筋肉が弛緩することが確認されています。その結果、血流がスムーズになると考えられている。動脈硬化を予防することで、その先にある心筋梗塞や脳梗塞など、命に直結する危険な病気の予防にもつながります」

 マウスでの研究段階ではあるが、オステオカルシンには認知症の予防効果も期待されている。

「カーセンティ教授の実験では、オステオカルシンを分泌しないよう遺伝子操作したマウスに、脳の神経細胞の働きの低下が認められた。そのマウスにオステオカルシンを注射したところ、記憶力や認知機能が回復されたとしています。詳しいメカニズムは解明されていませんが、同教授は、“脳の神経細胞死を抑制する何らかの効果があるのではないか”と分析しています」(同前)

 神経だけではなく、オステオカルシンには筋肉への作用も確認されているという。

「筋繊維を増やすたんぱく質の合成能力の向上にも効果があると見られています。カーセンティ教授が老化マウスにオステオカルシンを注射したところ、マウスの骨格筋量が増え、運動機能が回復したとの結果が出ています」(同前)

 さらにカーセンティ教授以外にも、多くの研究者が「オステオカルシンには男性ホルモンのテストステロンを増やす働きがあり、男性の生殖機能を回復させる可能性がある」と発表している。

※週刊ポスト2017年12月15日号

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