国内

話題のカスタマーハラスメント 定義が難しい状況

執拗な謝罪要求はハラスメントになる

 都内某所の携帯ショップでの出来事だった。60歳半ばと思しき男性が、若い女性店員に詰め寄っていた。

「なんでこんなに待たせるんだ! 責任者を呼べ!」

 その荒々しい声に、店内の客たちが眉をひそめている。しかしそんな周囲の視線も目に入らないのか、男性は10分以上にわたって執拗にまくしたて、頭を下げ続ける店員にも辟易の表情が浮かんでいた──。

 セクハラ、パワハラなど、さまざまな「ハラスメント(嫌がらせ)」が社会問題となって久しいが、最近になってとりわけ取り沙汰されるようになってきたのが「カスタマー(消費者)ハラスメント=カスハラ」だ。消費者の行動・心理を研究する、関西大学社会学部(社会心理学)の池内裕美教授が解説する。

「明確な定義は定まっていませんが、概ね『消費者による自己中心的で理不尽な要求』と捉えられます。取扱説明書を読まずに間違った使い方をして、製品が壊れたら企業に責任転嫁するケースや、執拗に謝罪を要求したり対価を求めたりするケースなどが代表的な行為です」

 犯罪にエスカレートする事例もある。北海道札幌市では11月、タクシーに乗った30代男性が、「遠回りをしている」と運転手に激高。怒鳴りながら運転席を何度も蹴り、防犯ボードを破壊した。ドライビングレコーダーに収められた一部始終は、テレビニュースで何度も報じられた。男性は暴行と器物損壊の罪で略式起訴され、罰金30万円の略式命令を受けている。

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