生徒に恋愛感情を持つことの是非については、「教師と生徒という関係でなくなったら構わない」との回答が最も多かった。「立場上、倫理的によくない」が僅差で続いたが、「恋愛しても構わない」という教師も少数ながら存在した。
興味深いのは、「生徒からのアプローチの有無」に対する返答だ。全体の6割が「全くない」とする一方で、「手紙をもらった」「告白された」という教師が4割近くに達し、ごく少数ながら「肉体関係を迫られた」という声もあった。
多感な時期の生徒だけに、気に入った教師に自ら迫るケースも少なくないようだ。塾を舞台にして、「教える側」と「教わる側」が不適切な関係になるケースも多いという。
「年齢が近いことが多く、生徒の側が“先生大好き”となって恋愛関係に発展しやすい。同じ理由で、教育実習の先生と生徒が恋愛関係になるケースも多いです」(池谷さん)
教師が教え子と関係を持つことについて、性犯罪に詳しい奥村徹弁護士は「絶対に許されない」と強調する。
「教師たるもの、たとえ教え子から迫られても絶対に断らないとダメです。一般に教師は、街を歩いている未成年者を保護する立場にあります。今回のケースのように塾講師という立場でも、教え子との恋愛は許されません」
だが、そう語る奥村弁護士も認めるのが、「淫行条例の矛盾」だ。
淫行条例は都道府県ごとに規定されるが、基本的には「18才未満の者と淫らな性行為をすることを禁ずる」と定める。
ならば女性が16才で結婚できるのは、おかしくはないか…この矛盾点は、2017年1月に狩野英孝(35才)と17才女子高生アイドルの“淫行疑惑”が報じられた際も論争となった。
「淫行とは簡単にいえば、性欲を満たすために青少年とセックスおよびそれに類した性行為を行うことです。ただ法律上、恋愛感情を伴う真剣交際は淫行にあたりません。ここでの真剣交際とは、誘惑、威嚇など相手を困惑させる手段を伴わず、性欲を満たすためだけの性行為ではない場合です。ただし、何をもって真剣交際と判断するかは難しい」(奥村弁護士)
※女性セブン2018年1月1日号