国内

教師と生徒の恋愛、経験の割合と包含する問題点と矛盾

生徒に恋愛感情を抱いたことがある教師は11%(写真/アフロ)

 昨今、教師と生徒の恋愛映画がブームとなっている。

 10月には有村架純(24才)と松本潤(34才)主演の『ナラタージュ』、広瀬すず(19才)と生田斗真(33才)主演の『先生!、、、好きになってもいいですか?』など、教師と生徒のラブストーリーを描く恋愛映画が立て続けに公開された。

 だが現実は映画のようにハッピーエンドとはいかない。文部科学省によると、2012年度にわいせつ行為で懲戒免職になった公立小中高校の教師は120人。1990年度の3人から40倍に激増した。

『スクールセクハラ』(幻冬舎)の著者で共同通信記者の池谷孝司さんは、「教師の質が急激に悪化したわけではない」と指摘する。

「昔は教師が問題を起こしても、『まだ先生も若いから』と内々に処理させることがありました。でも世間の目が厳しくなり、水面下にあったセクハラが表に出やすくなった。処分者は急増しましたが、まだ氷山の一角です」

 きっかけは、2001年7月に発生した中国自動車道女子中学生転落事故死事件だった。

 この事件では、兵庫県の中学校教師(当時34才)が、テレクラで知り合った大阪市の中学1年生の少女(当時12才)を援助交際目的で呼び出し、手錠をかけたまま車に乗せて中国自動車道を走行。少女は逃走するため、時速80kmで走行する車のドアを開けて飛び降り、後続車にひかれて死亡した。現役教師による凄惨な事件を機に、教師を取り巻く環境が一変した。

「文部科学省がようやく重い腰を上げ、教師によるわいせつ行為には、原則として懲戒免職で臨む方針に転じました」(池谷さん)

 文科省は2018年度から、わいせつ問題を起こした教師の処分情報を都道府県教育委員会で共有するシステムの導入に乗り出す。これまでは処分を受けた事実を隠して別の都道府県で教員を続ける例があったが、わいせつ教師の“可視化”で今後は難しくなる。

「最近の教師は極力残業しないように言われて持ち帰り残業が多く、部活動もボランティア。そのくせカリキュラム改変で準備時間が増え、ストレスが強まっています。わいせつが発覚した時、ストレスを言い訳にする教師は許せませんが、職場環境の改善が必要なことは間違いありません」(池谷さん)

◆緊急アンケートを実施

 現場の教師たちはどのような思いでいるのか。女性セブンは全国の小中高校教師100人に緊急アンケートを実施した。

「生徒に恋愛感情を少しでも抱いたことはありますか」の問いには、「1回もない」が87%。「時々ある」が11%で、「恋愛関係になったことがある」が2%いた。

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト