高須:そう。高齢化で社会保障費が増え続けているのはわかるけど、2年連続で診療報酬が引き下げられるというじゃないか。主に医薬品などの「薬価」部分の引き下げで、人件費は引き上げられるみたいだけど、現状を見ている限りだと、近いうちに人件費の引き下げもありえそう。仮に人件費が微増しても、結局医療にかけられるお金は減るんだから、由々しき問題だよ。この傾向が続いたら、医者がボランティアになる時代がきてしまうかもしれない。そうなったら、日本人の健康は根底から崩れていくだろうね。
そもそも診療報酬を引き下げるということ自体が間違っている。ほかの予算を削ってでも、診療報酬はしっかり確保しなくてはいけないはず。医者の報酬を下げる前に、削るべきものはいくらでもあるよ。それこそ、役人と政治家の報酬を引き下げるべきだと思うね。そうだよ、役人と政治家の金を回して国民の健康を維持するべきだよ。
僕は前から言っているんだけど、もう参議院は廃止して貴族院を復活させたほうがいいと思うね。もちろん、貴族院の議員はボランティア。報酬が目的ではない人々だからこそ、私利私欲に溺れることのない正しい政策を作り出せる。何が目的で議員になったかわからない人々よりも、金持ち老人のほうが正しいはずだからね(笑い)。
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ポジショントークではなく、自分の信念に従って“正しい意見”を発信する高須院長。もし貴族院ができたのであれば、ぜひとも議員になっていただきたいものです!
【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。
昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)、『行ったり来たり 僕の札束』(小学館)など。最新刊は『ダーリンは71歳・高須帝国より愛をこめて』(小学館)。