ライフ

得する年金術 共働き妻がしっかりと「60歳以降も働く」場合

共働きなら選択肢は広がる(イラスト/河南好美)

 日本社会の高齢化がこれからさらに進行していくが、今後、増えていくと考えられるのが、共働き夫婦が60歳以降もお互い働き続けるケースだ。同い年の夫婦を前提として、60歳以降も安定収入を確保できるケースをシミュレーションしてみた。再雇用で嘱託・契約社員になったとしても、夫婦それぞれが月収20万~25万円を稼げれば、年金(基礎年金、厚生年金)の「繰り上げ」受給の必要がないのはもちろん、受給開始時期の選択肢が一気に広がる。「年金博士」こと社会保険労務士・北村庄吾氏が解説する。

「『繰り上げ』の場合、基礎年金と厚生年金をセットで繰り上げることしかできませんが、繰り下げはどちらか一方だけでもできます。

 つまり共働き夫婦の場合、『夫の基礎年金』『夫の厚生年金』『妻の基礎年金』『妻の厚生年金』の4つのうち、どれを繰り下げるかで考えられる。必要最低限の額を受け取りつつ、70代以降の受給額を増やす“分散繰り下げ”が可能になってきます」

 厚労省のモデルケースを共働き夫婦に置き換えると(夫の受給額の2倍を夫婦の受給額とすると)、65歳で年金を受け取り始める場合の月額は夫婦で31万2672円。

「一方、65歳からは夫婦ともに基礎年金だけにして、厚生年金は71歳まで繰り下げると、65~70歳は月額12万9882円、71歳以降は40万4798円となる。2人分の退職金などで貯蓄に余裕があれば、70代の受給額を大きく増やせるわけです。

 バランスが良さそうなのは、『夫は65歳』受給、『妻は71歳』まで繰り下げるようなやり方。65~70歳を月額約15万6000円で凌げれば、71歳以降は夫婦で約39万円を受け取れます」(同前)

※週刊ポスト2018年1月1・5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン