ライフ

【香山リカ氏書評】バブル世代が右肩上がり幻想捨てるには…

相原孝夫・著『バブル入社組の憂鬱』

【書評】『バブル入社組の憂鬱』/相原孝夫・著/日経プレミアシリーズ/850円+税

【評者】香山リカ(精神科医)

「バブル世代」とは、バブル期に社会人になったいま40代後半から50代にかけての人たちを指す。50代後半の私もギリギリその仲間に入れてもらえるだろう。ある世代をひとくくりにして論じる世代論には批判もあるが、著者は「世代の共通性というものも確実に存在」すると言う。とくにバブル世代には、みな同じテレビドラマを見て同じクルマを欲しがったなど、とくに強い共通性がありそうだ。

 著者はバブル世代に対し「職場のお荷物なのに、給料は高い」と手厳しい。いつまでも自分のことにしか関心がない「子ども社員」が多く、自己認識が甘くて堅実さや慎重さに欠ける。入社した頃の年功序列の記憶が消えないので、「上司が年下」などという現実を受け入れられず、いらいらしてパワハラに走ることもある……。いずれも耳が痛いが、これではお荷物どころか会社から「早く消えて」と思われてもおかしくない。

 しかし著者は、そんなバブル世代の4つの特徴は、うまく使えば武器にもなると教える。4つとは「コミュニケーション能力が高い」「『根拠なき自信』がある」「会社への依存心が強い」「見栄を張りたがる」だが、コミュニケーション能力を生かして部門間の調整役に、自信を生かして新しい環境への適応力に、依存心を愛社精神に、と転じることも可能らしい。

関連記事

トピックス

夫・井上康生の不倫報道から2年(左・HPより)
《柔道・井上康生の黒帯バスローブ不倫報道から2年》妻・東原亜希の選択した沈黙の「返し技」、夫は国際柔道連盟の新理事に就任の大出世
NEWSポストセブン
新潟で農業を学ことを宣言したローラ
《現地徹底取材》本名「佐藤えり」公開のローラが始めたニッポンの農業への“本気度”「黒のショートパンツをはいて、すごくスタイルが良くて」目撃した女性が証言
NEWSポストセブン
妻とは2015年に結婚した国分太一
《セクハラに該当する行為》TOKIO・国分太一、元テレビ局員の年下妻への“裏切り”「調子に乗るなと言ってくれる」存在
NEWSポストセブン
1985年春、ハワイにて。ファースト写真集撮影時
《突然の訃報に「我慢してください」》“芸能界の父”が明かした中山美穂さんの最期、「警察から帰された美穂との対面」と検死の結果
NEWSポストセブン
歴史学者の河西秀哉氏
【「愛子天皇」の誕生を希望】歴史学者・河西秀哉氏「悠仁さまに代替わりしてから議論しては手遅れだ」 皇位継承の安定を図るには“シンプルな制度”が必要
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「給料もらっているんだからさ〜」国分太一、若手スタッフが気遣った“良かれと思って”発言 副社長としては「即レス・フッ軽」で業界関係者から高評価
NEWSポストセブン
ブラジル訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《クッキーにケーキ、ゼリー菓子を…》佳子さま、ブラジル国内線のエコノミー席に居合わせた乗客が明かした機内での様子
NEWSポストセブン
”アナウンサーらしくないアナウンサー“と評判
「笑顔でピッタリ腕を絡ませて…」元NMB48アイドルアナ・瀧山あかねと「BreakingDown」エース・細川一颯の“腕組み同棲愛”《直撃に「まさしくタイプです(笑)」》
NEWSポストセブン
グラビアのオファーも多いと言われる中川安奈アナ(本人のインスタグラムより)
《SNSで“インナーちらり笑”》元NHK中川安奈アナが森香澄の強力ライバルに あざとキャラと確かなアナウンス技術で「ポテンシャルは森香澄以上」との指摘
週刊ポスト
不倫が報じられた錦織圭、妻の観月あこ(Instagramより)
《錦織圭・モデル女性と不倫疑惑報道》反対を押し切って結婚した妻・観月あことの“最近の関係” 錦織は「産んでくれたお母さんに優しく接することを心がけましょう」発言も
NEWSポストセブン
お疲れのご様子の雅子さま(2025年、沖縄県那覇市。撮影/JMPA) 
雅子さまにささやかれる体調不安、沖縄訪問時にもお疲れの様子 愛子さまが“異変”を察知し、とっさに助け舟を出される場面も
女性セブン
インドのナレンドラ・モディ首相とヨグマタ・相川圭子氏(2023年の国際ヨガデー)
ヨグマタ・相川圭子氏、ニューヨーク国連本部で「国際ヨガデー」に参加 4月のNY国連協会映画祭では高校銃乱射事件の生存者へ“愛の祝福”も
NEWSポストセブン