ライフ

【香山リカ氏書評】バブル世代が右肩上がり幻想捨てるには…

相原孝夫・著『バブル入社組の憂鬱』

【書評】『バブル入社組の憂鬱』/相原孝夫・著/日経プレミアシリーズ/850円+税

【評者】香山リカ(精神科医)

「バブル世代」とは、バブル期に社会人になったいま40代後半から50代にかけての人たちを指す。50代後半の私もギリギリその仲間に入れてもらえるだろう。ある世代をひとくくりにして論じる世代論には批判もあるが、著者は「世代の共通性というものも確実に存在」すると言う。とくにバブル世代には、みな同じテレビドラマを見て同じクルマを欲しがったなど、とくに強い共通性がありそうだ。

 著者はバブル世代に対し「職場のお荷物なのに、給料は高い」と手厳しい。いつまでも自分のことにしか関心がない「子ども社員」が多く、自己認識が甘くて堅実さや慎重さに欠ける。入社した頃の年功序列の記憶が消えないので、「上司が年下」などという現実を受け入れられず、いらいらしてパワハラに走ることもある……。いずれも耳が痛いが、これではお荷物どころか会社から「早く消えて」と思われてもおかしくない。

 しかし著者は、そんなバブル世代の4つの特徴は、うまく使えば武器にもなると教える。4つとは「コミュニケーション能力が高い」「『根拠なき自信』がある」「会社への依存心が強い」「見栄を張りたがる」だが、コミュニケーション能力を生かして部門間の調整役に、自信を生かして新しい環境への適応力に、依存心を愛社精神に、と転じることも可能らしい。

関連記事

トピックス

佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
「秋の園遊会」に出席された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《秋の園遊会》 赤色&花の飾りで“仲良し”コーデ 愛子さまは上品なきれいめスタイル、佳子さまはガーリーなデザイン
NEWSポストセブン
(写真/アフロ)
《155億円はどこに》ルーブル美術館強盗事件、侵入から逃走まで7分間の「驚きの手口」 盗まれた品は「二度と表世界には戻ってこない」、蒐集家が発注の可能性も 
女性セブン
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
ミントグリーンのワンピースをお召しになった佳子さま(写真はブラジル訪問時。時事通信フォト)
《ふっくらした“ふんわり服”に》秋篠宮家・佳子さまが2度目の滋賀訪問で表現した“自分らしい胸元スッキリアレンジ”、スタイリストが解説
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
相撲協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入
「伝統を前面に打ち出す相撲協会」と「ガチンコ競技化の白鵬」大相撲ロンドン公演で浮き彫りになった両者の隔たり “格闘技”なのか“儀式”なのか…問われる相撲のあり方
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン