国際情報

米軍事専門家「北朝鮮の核開発を許した責任は韓国にある」

経済制裁を加えても金正恩は決して核開発を止めない EPA=時事

 北朝鮮の核ミサイル完成を目前に、敵地攻撃能力の保有を今頃議論している日本はやはり平和ボケに過ぎるのだろう。『戦争にチャンスを与えよ』の著者、エドワード・ルトワック氏が指摘する。 

 * * *
 北朝鮮が長距離ミサイルに核弾頭を装備する能力を確立する時期がいよいよ近づいてきた。短くて数か月、長くて一年だろう。このままだと米国あるいは他の諸国が北朝鮮の核武装を止める「機会の窓」はもうすぐ閉ざされる。

 経済制裁でも軍事手段でも北に核放棄はさせられなくなる。なぜなら北は制裁には屈せず、軍事攻撃に対しては米国本土をも含む標的への報復の核攻撃をすることが確実となるからだ。

 この「機会の窓」が閉ざされないうちに先制予防攻撃で北朝鮮の核兵器や、その施設を破壊することが残された唯一の実効ある方法である。

 世界の他の地域で核武装を阻止したケースでは、いずれも武力を用いて断念させることに成功しているからだ。イラクとシリアがその実例だ。イラクの場合、1000kmも離れたイスラエルが爆撃でフセイン政権の核開発施設を破壊した。シリアも同様だった。その後の中東紛争において、無責任国家が核兵器を持っていなかったことがどれだけ世界から歓迎されたことか。

 だが、北朝鮮の核武装への動きに対し米国や韓国の歴代政権は武力を使って阻止する機会がありながらも、長年、それを逸してきた。つまりは失敗だった。経済制裁がその目的を達しないことは実は始めからわかっていたといえよう。北朝鮮の核開発をここまで許したことは関係諸国の無責任の結果なのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン