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上川隆也が語る 『ジオストーム』はリアルの上に描く虚構

『ジオストーム』で主人公の声を担当した上川隆也

 異常災害と自然災害が極限に達した世界を疑似体験できるのが、現在、公開中の映画『ジオストーム』。舞台は世界の天候を制御する気象コントロール衛星が開発された未来。これで天候も制御できると思いきや、衛星が暴走し、地球規模の同時多発災害“ジオストーム”を引き起こす。

 主人公のジェイクは、気象コントロール衛星の開発者だが、アウトローで職を追われ、彼がいなくなった後、香港では地底からマグマが噴き出し、東京には直径5m級の巨大なヒョウが降り、リオデジャネイロでは常夏の海が瞬時に氷結するなど、世界中で恐ろしい災害が起こり始める。一見、“まさか”と思うかもしれないが、いずれもこのまま地球温暖化が続けば起こるかもしれない光景だ。

 ジェイクの声を担当した上川隆也(52才)はこう語る。

「リサーチがしっかりなされたこの作品には、最初見たとき、“起こるかもしれない”と思わずにはいられない“リアルの上に描く虚構”がしっかり描かれていました。なかでもドバイが大波に襲われるシーンでは、砂漠の中に建っているドバイの都市のすぐ近くには海があると、以前仕事で訪れて知っていたので、切迫感もあり、とてもリアルに感じました」(上川・以下同)

 ジェイクは事態を食い止めるために立ち上がるが、気象をコントロールするという、人間が手を出してはいけない領域に触ってしまったがゆえのさらなる悲劇が襲いかかる。

「ぼくは非力ですから、現実にこんな災害が起きたら、どう振る舞えばいいかということすら、容易には思いつきません。しかし、東日本大震災のように、予想していなかったことが起こるのが現実。だからこそ、あのときの経験を忘れてはいけないと思いますし、震災後、もしものときにどう対応するかということは家内とも話し合い、最低限の持ち出し袋などを常に備えています。

 この作品では、想像を絶するような困難な状況の中、人々が力を合わせて立ち向かう姿が描かれます。彼らのようにはいきませんが、仕事も含めて、何が起きても後悔しないよう、今できる精一杯で取り組むように、日々、心がけています」

撮影/豊田和志

※女性セブン2018年2月15日号

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