国内

人口あたりの医師数トップの京都はがんの早期治療環境整う

京都が胃がん生存率が高い理由は?(写真/アフロ)

 男女において罹患数が最も多いのが胃がんだが、女性の胃がんにおける「IM比」(がんの生存率を示す数値。『がんに罹った患者数』÷『死亡者数』で算出。値が大きいほど、がんになっても亡くなりにくい)の都道府県別トップは3.02の京都府だ。しかし、京都府は、医師の数が多いという特徴がある。

 深刻な医師不足で地域間の医療格差が指摘されるなか、京都府は人口10万人当たりの医師数が308人で日本一。最も少ない埼玉県と比べると、その差は2倍。

「歴史的な経緯として、京都市内の2つの大学附属病院が、消化器内科の臨床に力を入れてきました。加えて、京都には国が指定するがん診療連携拠点病院と、府が指定したがん診療連携病院などの医療施設が充実しています。身近な病院や診療所で医療を受けることができる機会が多いことが影響しているのではないでしょうか」(京都府健康対策課、以下「」内同)

 がんになったら早期に適切な治療を受けることが求められるが、京都にはその環境が整っているということ。

 だし文化が根づいている京都では、胃がんのリスクを高めるといわれる塩分の摂取量も高くない。

「京都では薄味の料理が好まれるため、塩分摂取量はあまり多くありません。ただ、野菜の摂取量が少ないので、増やしていきたいと考えています。京の家庭の味として受け継がれてきた“おばんざい”は野菜が多く使われているので、おいしさと健康の両立を目指した“おばんざい弁当”の普及を図っているところです。

 また、胃がんの原因の1つといわれるピロリ菌の感染に関しても、全国的に珍しい除菌治療費の助成事業や高校生へのピロリ菌検査事業を行っています」

 さらに、がんに関する教育にも力を入れている。

「子供の時からがんの知識や正しい生活習慣の理解を深めることががんの予防・早期発見に有効です。京都では行政と学校が協力し、中学校や高等学校での禁煙教育に力を入れてきました。府の喫煙率は低く、2016年の国民生活基礎調査によると、男性の喫煙率は全国で最下位。医師とがん経験者が学校で授業を行う“生命のがん教育推進プロジェクト”にも取り組んでいます」

※女性セブン2018年2月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
オンラインカジノを利用していたことが判明した山本賢太アナウンサー(ホームページより)
フジテレビ・山本賢太アナのオンラインカジノ問題で懸念される“局内汚染”「中居氏の問題もあるなかで弱り目に祟り目のダメージになる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
都内の人気カフェで目撃された田中将大&里田まい夫妻(時事通信フォト/HPより))
《ファーム暮らしの夫と妻・里田まい》巨人・田中将大が人気カフェデートで見せた束の間の微笑…日米通算200勝を目前に「1軍から声が掛からない事情」
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン