「最大規模のマグニチュード9クラスの南海トラフ地震が発生した場合、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7、隣接する周辺の広い地域でも震度6強から6弱の強い揺れになることが想定されています。関東から九州地方にかけての太平洋沿岸の広範囲で10mを超える津波が襲来し、さらに最大30m級の大津波が起こる可能性も否定できません」(前出・岡田さん)

 政府の中央防災会議の有識者会議の試算によれば、死者数は最大で32万3000人、経済被害は220兆3000億円にものぼるというから、被害は想像を絶する。

 台湾地震が起きた2日後、日本政府の地震調査委員会が重大な発表を行った。南海トラフ地震が「30年以内に起こる確率」を、それまでの「70%程度」から、「70~80%」に引き上げるとしたのだ。

「地震は、プレートの接触面の“歪み”が溜まると起こるので、“歪み”が限界まで溜まる年数を計算すれば、おおよそ発生確率がわかります。委員会が今回、発生確率を算出する時には、南海トラフ地震は、『88年』の平均間隔で起きるとして計算しました。前に起きたのが、昭和東南海・南海地震が起きた1944年~1946年なので、もうそろそろ起こるかもしれないという時期にさしかかっているんです」(前出・岡田さん)

 地震が「いつか確実に起こる」のはわかっているが、その予知は難しいのが現状だ。だが、女性セブンは南海トラフ地震の「ある予兆」をキャッチした。

◆サメの電気感度は人間の10万倍以上

 今回の台湾地震発生の約1か月前、台湾ではあるニュースが話題を呼んでいた。「ワニグチツノザメ」という深海に生息する小型のサメが5匹、台湾の沖合で発見されたという。このサメはごく稀にしか見られないため、生態はほぼ不明。超希少な深海ザメだ。

 実は、このワニグチツノザメ、2016年4月、熊本地震が発生する1か月半ほど前に、日本の静岡・沼津でも捕獲されていた。

 もちろんサメと地震の因果関係は立証されていないし、今のところ地震学でも研究対象外だ。だが、海洋地震学が専門の武蔵野学院大学特任教授・島村英紀さんは「サメと地震が関係している可能性はある」と話す。

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