「“声優はいろいろな声が出せる”と思われがちですが、実はそれほど多様な声を求められていません。自分がいちばん楽にしゃべれる地声を軸にキャラクターを演じることが多いんです。

 例えば、宮崎駿監督の劇場版アニメ『となりのトトロ』で母親役を演じた時も、声を作っていません。当時本当に母親になりたてだった私がそのままの声で演じました。また、20代後半で演じた『風の谷のナウシカ』のナウシカ役も、役柄的に落ち着きのある、少し低い声音で演じたため、声作りはほとんどしていませんでした」

 確かに、無理して作った声より、地声の方がすっと耳に入ってくる。ということは、私たちも、若者ぶって、無理に高い声を出す必要はない。いつもと違う声は、聞く方も違和感を覚えるからだ。

「その年齢、年齢の地声がいちばん魅力的であることを目指すといいと思います。そのためには、声やのどを鍛えるだけでなく、心や体も若々しく保つことが大切。声だけ若作りするより、心の若さが声ににじみ出るようにしたらいいと思います。そのためにも、私自身、仕事も遊びも心から楽しむようにしています。毎日が楽しければ、声も明るく弾みますから」

 体の不調だけでなく、心の有り様まで出てしまう声。いい声は一朝一夕には出せないのである。

【プロフィール】島本須美(しまもと・すみ)/劇場版アニメ『ルパン三世 カリオストロの城』のクラリス、『風の谷のナウシカ』のナウシカをはじめ、テレビアニメ『めぞん一刻』の音無響子、『それいけ!アンパンマン』のしょくぱんまん役などで知られる。『和風総本家』(テレビ東京系)や『探検バクモン』(NHK)などでナレーターとしても活躍中。

※女性セブン2018年3月1日号

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン